2012年5月7日(月)〜5月12日(土)
2011年1月「adagio/紀州」に続く、花井さんの紀州シリーズ第2弾です。
今回は小品ばかりで40点と、いつもより多くの作品が整然と収まったギャラリーの壁面は
車窓から流れる風景を眺めているよう。
まるで自分がロードムービーの中に入り込んだような感覚にとらわれます。
小さい画面の制作ではいつも以上に緊張感と「深さ」を感じ、
濃密なイメージが生まれたと思うとおっしゃる花井さん。
風景画でありながらもアブストラクトな表現へと移行しつつある様子も見られます。
昨年の展覧会に合わせて制作した電子ブックをきっかけに、
この夏「熊野古道なかへち美術館」での展覧会が開催されることとなりました。
前回と今回展示した作品、未発表作品、新作合わせて80点程が並ぶ予定。
ライフワークのように描き続けてきた「紀州」シリーズの集大成となる展示です。
目の前を通り過ぎる風景は 完結しない。
一瞬 鏡が ギラッ と閃めいた・・・と 思ったら
もぅ 過ぎていた。
その 抽象の中に 閃く一瞬の 閃光のようなもの・・・を
絵の中に とどめたくなった。
視界の端にちらりと見えて すぐ消えた なにか・・・。
紀州を走る。
ジャック・ケルアックの on the road が あんなに そそるのは
ドライブの中に LIVE・・・いとなみ が あるからだ。
一瞬の閃きを 小さな絵にすると さびしいフウケイが 純粋な
宝石のように ならないだろうか・・・。
(花井正子/挨拶文より抜粋)