本の中で出会う心に残る一行。
そして魅力ある登場人物、場面、風景….。
様々なビジュアルに満ちた本の世界を瑞々しい感性で描いてください。
『小説』をテーマに愛読書をビジュアライズした、’90年『イラストを読む』。
古今東西の名だたる文学書の装画をリメイクした、’91年『NEW CLASSICS ’91』。
MAYAでは、これまでに度々『本』をテーマにした企画展を開催して参りました。
予想以上にこれらの企画を評価して頂くにつれて、
私共の中でこのテーマを続けて更に展開させてゆく方法をずっと考えていた中、
ギャラリーにみえる若いイラストレーター達との話の中で
『出版社関係者や装丁家の方々に自分の作品を見て頂きたい』、
『本に関わるイラストレーションの仕事をしたい』と強く願う声を聞くことが
非常に多くありました。
そうして2001年より始めたのが「装画」をテーマにしたコンペティションでした。
ただ好きな絵を好きなように描くという段階からもう一歩すすめてテーマを決めて描く。
深く静かに、あるいは強く激しく心に入ってくる様々な本の魅力を追求し、
そこから導かれる多様なヴィジュアルに満ちた世界を、
イラストレーターとしていかに表現し、また観る人の心をつかむか。
そんな表現の方法を探る機会になったら….と考えております。