2014年5月12日(月)〜5月24日(土)
詩情溢れる美しい世界で永い間多くのファンを魅了し続ける味戸ケイコさん。
24年振りとなるMAYAでの展覧会は、詩人の平岡淳子さんによる短歌との
コラボレーションをご覧いただきました。
お二人の出会いは、平岡さんが現在編集に携われる『詩とファンタジー』の前身、
やなせたかしさんが編集長をされた『詩とメルヘン』だったそうです。

© Keiko Ajito
追憶の道をたずねるように降る白いはなびら光の中に

© Keiko Ajito
ここにある空気を愛と名づけたらたちまち息苦しくなるでしょう

© Keiko Ajito
月の光避けてこの道歩いてる見抜かれたくない想い抱えて

© Keiko Ajito
もう何年海で泳いでないかしら足のつかないところに行きたい
静かに、センチメンタルに、優しく、甘く、強く。
約200の短歌から、味戸さんが20首を選び、豊かに広がるイメージを集めて
16点の絵が生まれました。
味戸さんは、これまで同様に鉛筆に水彩の作品に加えて、
今回は初めてコンテと水彩で描かれてみたのだそうです。
それぞれの画材による、夜空や闇の『黒』の質感の違いをご覧いただきました。
二人の世界が交差することで、1足す1が2となるのではなく、
10となり、100となるような表現をしたかったとのこと。
言葉がビジュアルを更に色濃くし、ビジュアルが言葉をより深めてゆく、
そんな感覚を味わっていただけたのではと思います。
平岡淳子さんのブログ『星くず朗読会』