6月10日(月)〜6月15日(土)
たなか鮎子展「仮想空間実験室」

© Ayuko Tanaka

言葉の力には、いつも驚嘆させられます。
ヴィトゲンシュタインが「言語の限界が世界の限界である」と言ったように、言葉は宇宙を形成する力を持ちます。人間の想像力が言葉の形を取ると、それらは浮遊し、ぶつかり合い、重なり合い、様々な化学反応を起こしながら、ビッグバンのように限りなくその空間を広げていきます。「物語=フィクション」は、現実とは別の宇宙が確かに存在することを、私たちに示してくれます。

変容と創造を繰り返す「言葉」に喚起されたイメージをグラフィカルに表現し、人間の想像力の素晴らしさ、可能性の大きさを示すことが、過去から未来に渡っての私の制作テーマです。

今回は、数ある文学作品の中から、言葉による「化学反応」を楽しんでいた作家たちーボルヘス、ブレトン、宮澤賢治などーの詩や物語を題材として選びました。私という小さな実験室の中で、それら偉大な作家たちの生み出した言葉の数々がどんな化学反応を引き起こすか、楽しみつつ観察してみたいと思います。

イラストレーター、絵本作家、グラフィックデザイナー。1972年生まれ。
福島大学経済学部、東京デザイナー学院グラフィックデザイン科卒業。
デザイン会社勤務を経て、個展を中心に活動中。2000年ボローニャ国際児童図書展の絵本原画展入選。
おもな絵本に『かいぶつトロルのまほうのおしろ』(文絵/たなか鮎子 アリス館刊)、『うらしまたろう』(文/令状ヒロ子 講談社刊)『フィオーラとふこうのまじょ』(文絵/たなか鮎子 講談社刊)、『マルーシカと12の月』『あきねこ』(文/かんのゆうこ 講談社刊)、『碧空のかけら』(文/かんのゆうこ エイト社刊)『針つくりの花むこ さん』(文/瀬戸内寂聴 講談社)など。書籍装画に『1リットルの涙』『数学ガール』『幼子にきかせたい おやすみまえの365話』など。

Visual Artist for copperplate prints, Auther and Illustrator for books and children stories. Born in 1972. Currently living in Tokyo. Economics degree in Fukushima University. Diploma of Graphic Design, in Tokyo Designers Gakuin College.
Bologna Book Fair 2000, illustration competition prize.

artistsページ /たなか鮎子

カテゴリー: 2013年, 6月, MAYA, スケジュール   タグ:   この投稿のパーマリンク