池田響子・光の版画展

2012年3月12日(月)〜3月17日(土)

「写真の展示は珍しいですね」というお客さまの声を度々聞いたこの週。
一見すると写真。でも池田さんは「版画」という意識で作品制作をされています。

「アビー」© Kyoko Ikeda

光の版画」とはポラロイドを用いて転写という技法で制作した作品のこと。
制作を始めた頃に美術出版社の本のタイトルに見つけ、自分の作品を表すのに
ぴったりな言葉だと思われて、それ以来愛用されているのだそうです。

「ワインローズの現象術 化身」© Kyoko Ikeda

使用カメラは現在製造中止となったポラカラー125
フィルムによって転写方法は多少異なるようですが、共通するのは
露光後、ネガからポジへと染料が移行される前にネガとポジを引きはがし、
ネガ部分のみを版としてイメージを映しとる媒体(レセプター)にバレンのようなもので
圧力をかけて転写…ということのようです。

「ボトル」© Kyoko Ikeda

モチーフとなったのは、旅先で撮影したヨーロッパの建築物、薔薇、果物、
天使や香水瓶といったアンティークなオブジェ。そして「光」そのものも。

紙や布などレセプターによって表情が異なるのが面白いと、
同じモチーフでいくつかのプリントを展示。
光の版画にドローイングを施したり、コラージュの素材に使ったり…と
さまざまな形でご覧いただきました。

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