2015年7月6日(月)〜7月18日(土)
花井正子さんの個展は3年ぶり。
前回の個展以降、一部の仕事以外は受けずに作品制作に専念してたのだそうです。
その間に生まれたものから厳選された40点が、MAYAとMAYA2に並びました。
MAYAには赤と緑の風景を。
デビュー間もない頃に、文芸誌の担当だったベテラン女性編集者に言われたという
「あなたの絵は、あかるい虚無ですね」という言葉が、時を経て今回の個展タイトルに。
花井さんは「絵とコトバは、作品としてイコール」であるといいます。
短い文章「言葉景」が絵と一緒に綴られ、散りばめられました。

© Masaco Hanaii
・・・t ri p どろり と 熱い 芯 が とろ けた
・・・やるせ な い dejavu

© Masaco Hanaii
・・・絶対に 取り返し ガ つかない・・・深 い 奈落・・・(の 感覚) を
ヒト は 本能的 に わかっ て いて・・・
どう か まっとう に 生きたい・・・と ねがう

© Masaco Hanaii
・・・夜の 闇 の 気がとおく なりそう な なまめ かしさ が
無防備 な 心 を 乱 す

© Masaco Hanaii
・・・空 の 果 て だ け あ かる い
黒と青の景色が並んだMAYA2。
抽象的な表現に変わって驚いたという感想を聞くことの多かった今回。
その度に花井さんはB.ビュッフェの「絵画はすべて抽象」の言葉のように
具象なのか抽象なのかは圏外の問題と感じているとおっしゃっていました。
「カッコ良くて、奇麗なものを創るのは、むしろ楽な仕事。
作者の心の深さがない絵にリアリティは、ない。」
そんな覚悟のようなものを感じさせる、強く静かに心に迫る作品でした。