たなか鮎子展「仮想空間実験室」

2013年6月10日(月)〜6月15日(土)

子ども向けの絵本や児童書の挿絵のような柔らかいものから、
「数学」「裁判」「ロジカルシンキング」といった硬派な内容のものまで
幅広いジャンルのお仕事で注目される鮎子さんの個展です。

「真空溶媒 1 - 宮澤賢治(『春と修羅』より)」© Ayuko Tanaka

今回のテーマは、言葉による「化学反応」を楽しんでいた作家たちの詩や物語。
ボルヘス「バベルの図書館」、宮澤賢治「春と修羅」「グスコーブドリの伝記」、
ブルトン「溶ける魚」、ウェルズ「水晶の卵」酒井穣「これからの思考の教科書」
ヴィトゲンシュタイン「論理的哲学論考」…など。

「ポラーノの広場 2 - 宮澤賢治」© Ayuko Tanaka

もともと大の読書家である鮎子さんにとって「言葉」と「想像力」が出会って起こる
「化学変化」はインスピレーションの源であり、ずっとそれをビジュアライズしてきました。

「仮想空間実験室 2」© Ayuko Tanaka

今回の展示では「これまでやってみたかったことを思い切って試してみた!」とのこと。
寒色系の抑えた色彩で統一したり、立体、コラージュ、油彩など新たな表現方法への
挑戦も、愉しんで制作された様子が伝わりました。
鮎子さんの硬派で叙情的なイメージの世界は、今後もさまざまな「言葉」と交錯しながら
更に色濃く、深みを増してゆくことと思います。

たなか鮎子artistページ

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