浅見ハナ個展「寺山修司 短歌の世界」

2013年9月30日(月)〜10月5日(土)

装画や挿し絵、映画のビジュアル、個展やグループ展などで活躍中の浅見さんです!
MAYAでは初めての展覧会、秋の深まるこの時季に相応しい、しっとりとした一週間でした。

© Hana Asami

マッチ擦る つかのま海に霧深し 身捨つるほどの祖国はありや

寺山修司さんは「言葉の錬金術師」の異名を持ち、これまでに映画や演劇、小説…など
ジャンルを飛び越えて数多くの作品が生み出されました。
子ども時代は『時には母のない子のように』(唄;カルメン・マキ ,
詞;寺山修司)を
よく口ずさんでいた、と浅見さんはおっしゃいます。

© Hana Asami

一本の樫の木やさしさその中に 血は立ったまま眠れるものを

これまでも百人一首など短歌の挿し絵の仕事をされていらっしゃいましたが
今回の展示では“寺山修司の短歌”に焦点を絞りヴィジュアル化した作品が並びました。

© Hana Asami

夏川に木皿しずめて洗いいし 少女はすでに わが内に棲む

作品は、アナログとデジタルの ミクストメディア
下絵をデジタルで彩色し、下地を塗ったり和紙を貼ったりした紙に出力、
さらにアクリルガッシュで彩色…という工程を経て作られています。

インパクトの強いビジュアルが伴うことの多い寺山作品ですが、
既存のイメージに捕らわれることなく、制作することを意識したとのこと。
そして、作品の中で繰り返し描かれる『母』の姿は、読み進めてゆくにつれ、
浅見さんにとっての母親像とも重なっていった、とおっしゃいます。
力強く、静謐な世界が繊細に表現されていました。

http://goo.gl/wiBAH

カテゴリー: 2013アーカイブ, From MAYA, MAYA   タグ:   この投稿のパーマリンク