中川学展「橘花抄」の世界

2011年3月7日(月)〜3月12日(土)

3年前の個展で泉鏡花の世界を描き、その後多くのお仕事に繋がったという中川さん。
今回の展示はその1つ、週刊新潮で平成21年9月から22年6月まで連載されていた時代小説
「橘花抄」(葉室麟 著)のモノクロの挿絵全80点と、新たにカラーで描いた作品が並びました。

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「挿絵とタイトルを担当させていただき、
全40回の挿絵、八十点を描きました。
僕にとってはじめての週刊誌での連載で、
またあこがれの骨太な時代小説の挿絵でもありました。

藩のお家騒動、盲目の美少女の主人公、
剣の達人と魔剣との対決、どこまも凛とした登場人物たち、
そしてほのかな恋、などなど、
まさに時代小説の王道をいく作品。

毎回ドキドキしながら原稿を読んで、
ワクワクしながら絵を考えました。
もうずっと続いたらいいのに、と思うくらい幸せな10ヶ月。

その挿絵をずらっと並べてみたいと思い、
この展覧会を思い立ちました」

(挨拶文より抜粋)

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小説の中には「五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする」という古今集の和歌が引用され、香を聞く場面は失明した女性が苦難の中で成長してゆく過程でたびたび描かれる大事なシーン。

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レトロな雰囲気も漂う中川さんのデジタル作品、Adobe Illustratorで制作されています。
実は京都のお寺のお坊さんでもある中川さん、会期中の作務衣姿はそれはそれはお似合いでした。
(写真でご紹介出来ず残念です!)
今後も二足の草鞋生活は続きます。

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