赤のある画と詩のコラボレーション
2016年11月14日(月)〜11月19日(土)
石川さん(左)の初めての個展です。
これまでにもグループ展等でコラボレーションの機会が多かった平岡淳子さん(右) の詩と一緒にさまざまな「赤」をテーマにした絵をご覧いただきました。
(以下、太字は平岡さんが絵に添えてくださった詩となります。)

© Yukari Ishikawa
秋
色づく木々の
一枚一枚の葉をみている
おなじように
秋を迎えて秋に染まって
競うことなく
まっすぐに愛することを
森の中で貫く
美しい木々の祈りの姿勢

© Yukari Ishikawa
親指
コツがあるんだよと
貸してもらった傘
これ俺のじゃないよ
飲み屋でもらった
親指に力を入れてね
ぐっと押すように
雨に濡れた赤い花と
駅までお供をする

© Yukari Ishikawa
水面
握っていた手を
あなたが離すときには
夕陽は水平線に
潜って眠りはじめます
しずかな水面に
寂しさは取り残されて

© Yukari Ishikawa
森
父がいて母がいて
だからわたしは
なにも怖れなかった
深い森にひとりで
迷い込むことも
とても楽しかったし
夕暮れになっても
さみしくはなく
歌を口ずさんでいた
朱赤、深紅、マゼンタ、ボルドー、バーミリオン…
「赤」という単語から思い浮かべる色彩は人それぞれ異なるものかもしれません。
自然の中や、都会の街角、さまざまな風景とそこにある物語が石川さんの眼差しで情感豊かに描かれ、
平岡さんの紡ぐ言葉によって広がるイメージをお愉しみいただきました。
絵と詩は全て冊子に纏められ、そちらも好評でした。
石川さんの他の展示作品はartistページでもご覧いただけます。