中川学・繪草紙展「竜潭譚」

2008年4月14日(月)〜4月19日(土)


京都に活動の拠点を置く中川さんの東京での初個展です。実は中川さんには、もう一つkobouzu(コボウズ)さんという呼名があります。それはなぜかというと…本当に「お坊さん」でもあるからなのです!名刺の肩書きは「イラストレーター&僧侶」となっていました。


目次 躑躅か丘 鎮守の社 かくれあそび あふ魔が時 大沼     五位鷺 九ツ谺 渡船 ふるさと 千呪陀羅尼

テーマは泉鏡花の小説「竜潭譚(りゅうたんだん)」。少年が神隠しに遇い、異世界を彷徨うという物語は後の「草迷宮」や「高野聖」などに通じており、鏡花文学の原点といえるような作品なのだそうです。


 
数人の男達が社に近付いてくる。
我が家に使える下男の声に似ているが、
また魔が騙そうとしていると疑い表に出ない。
すると次に姉の声が聞こえてくる。それも疑ってしまう

 
中川さんはこの物語をぜひ繪草紙として展開したい、と24点の挿絵を制作。作品一点々々にストーリーを要約したキャプションがつき、全文をつけた手製の和綴絵草紙と一緒にご覧いただきました。


気がつくと柔らかな蒲団に寝かされていた。
庭を見るとうつくしく髪を結ったひとが水浴びをしている。

使用ソフトはAdobe Illustrator。泉鏡花作品の装幀・挿絵を数多く手掛けた日本画家・小村雪岱を彷佛させるグラフィカルな構図と伝統的な色彩の大胆な組み合わせが中川さん流の「和」の世界を創っています。ギャラリー前を通りかかった多くの外国人のお客さまからも大変好評でした。
夏には、この展覧会は大阪でご覧いただけます。詳細は決まり次第、中川さんのサイトに掲載されるとのことです。

http://www.kobouzu.net/

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