花が持つ多様な表情を銅版画で制作し続けている岡田さん。
その独特な感性で描かれた美しい花々は、これまでも目にした人々の心に強い印象を残してきました。
最近は油性インクの使用法を変えたとのことで、以前よりも発色が良く色彩の幅が拡がりました。そうして更に可憐で華やかなニュアンスが加わった感もあります。
これまで彼女の作品に登場していたのは、味のあるちょっとユニークな人物が多かったのですが、最近は敢えて「美しい人」を描くことを意識されているとのこと。花々と、その化身のような少女、女性たちの作品は幻想的なムードも漂い、大変好評でした。
そうした美人系の作品と一緒に並んだ「かば公園」や擬人化した「ラナンキュラス」シリーズなど、その発想の豊かさ、不思議さに圧倒される方も多かったようです。
昨年の装画コンペ受賞作が実際の装丁となった「容姿の時代」(酒井順子/幻冬舎刊)は会期中に発売。
また「和」の世界が好きで以前から歌舞伎などをモチーフに作品を描かれていましたが、最近は力士・栃東関の浴衣のデザインを手掛けるなどなど活動の場はますます拡がり、いま勢いに乗っている岡田さんの展覧会でした。