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「凄い映画が公開されるよ」。周囲で話題になっていたのが『フラッシュ・ゴードン』。当時は本当にSF大作だと思っていた。蓋を開けたらB級トンデモ映画。原作は戦前のアメリカンコミックらしい。漫画にしてももう少し秩序があればいいのにと切に思ったのは、僕がわずか11歳の時だった。公開当時はブーイングと失笑の渦だったらしいが、今ではちゃんとした(?)カルト映画として不動の地位を得るまでになった。そんな曰く付きのサントラを担当したのが我等がクイーン。なんでこんな映画のサントラを担当したのか、フレディが亡くなってからは永遠の謎だが、ほぼ同時期にブライアン・メイが『無敵艦隊スター・フリート』なる子供番組の主題歌を担当していたこともあるので、あながちこういうのは嫌いでないのかも知れない。本人達も、大好きなマンガ主題歌で大真面目にふざけていたのだろう。そんなことに思いを馳せて聴いてみると、楽しいアルバムと言えなくもない。ちなみにほぼインスト。ファンからは20数年もの間、罵倒され続けている希有な作品である。
もちろん映画を通じてクイーンを知った。小学校6年にして初めての洋楽体験。ジュリーや聖子ちゃんが一般の音楽だと思い込まされてきた脳には、あまりにも強烈な出会いだった。フラッシュ! アアー! いまでもワクワクする!(平)
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