COMPETITION |
装画を描くコンペティション vol.10 審査を終えて |
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池田進吾/67主宰
そのまま装丁に使用される絵はごく稀だと思う。 |
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緒方修一/ラーフィン主宰
装画を描く。
……ただ、読んで絵筆をとる前に、
だから最初に想像して欲しいのです。
そうしたことが、読んでしまうと不思議と見えなくなる時があります。
しつかり日々を生きてる人なら、
グランプリも個人賞も、まったく迷うことはありませんでした。 |
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平川彰/幻冬舍デザイン室室長
コンペ向きの絵と仕事で使いやすいイラストレーションとでは必ずしも一致しないのはもはや常識。かつてのようにコンペ受賞→発掘→仕事の近道という構図は今は皆無に等しい。展示において圧倒する力を秘め、しかも仕事として柔軟に対応できる可能性が備わる作品…、そんな条件を合議制で選考する「装画を描くコンペティション」は数有るコンペの中でも相当な難関と思われる。今回の各賞に残った作品は、そんな希望が持てるかもしれない、そう思わせたもの達だ。グランプリの末次麻衣子さんは4枚の作品を応募、そのどれもが違う匂いを醸しだし仕事よりも個展を見たいと思わせた。準の深谷利枝さんは、ピンポントで決まった構図が安心感を与え仕事でブレることはないだろう。個人賞の松本里美さんは選んだ本の趣味の良さに特に惹かれた。
反面、てっとり早く名前を売りたい、とりあえず誉められたい、あわよくばお金を得たい。そういう志の低い絵の多さも目立った。全体の画力が低下しているわけではないのだろうが、イラストレーションはアートより簡単で漫画より効率が良く、楽で報酬も良い。世間ではそんなデタラメが囁かれ、安直に考えている描き手もいるのではないだろうか? 攻めるよりも逃げる絵の方が多い、数多く寄せられた作品を見ながらそんな意識の低さも感じた。 |
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大矢麻哉子/ギャラリーハウスMAYA
あっという間の10年でした。沢山の出会いがありました。
また、北村人さん、ヒラノタカユキさんなどの受賞者たちの各方面での活躍は大変うれしく、私どもに力を与えてくださいます。
今回の松倉さんの作品は女の人が誰でも持っている可愛さ、デリケートな感性、ちょっとした不思議感があって、自分の部屋におきたくなる様な気持ちになりました。 |
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