牧野千穂展

「Vacant─君が元気でやっていてくれると嬉しい─

'02.11.25(月)〜 11.30(土)



昨年MAYAで開催した「装画を描くコンペティションVol.1」ではレイモンド・カーヴァーの「ささやかだけれど、役にたつこと」を描いて、準グランプリを受賞された牧野さん。以来、書籍関係のお仕事をたくさん手がけて、活躍中の作家です。



『ささやかな冒険』

パステルを指で馴染ませて生まれる濃厚な美しい色彩、そしてシンプルに描かれた象徴的なモチーフが牧野さんの作品の特徴。

「空っぽな場所は、そこに在るべきモノ、もしくはそこに在ったモノの不在を投げかけてくる」と云う牧野さん。
「Vacant」というタイトルのもとに日常の中で出会う、さまざまな“空っぽ”な場所と、そこに現れた「動物」たちの少し不思議な、静寂に包まれた世界が並びました。
画面の中の[気配]は、フラッシュバックのように、かつてその場所に流れていた時間や物語の名残りを私達に感じさせます。


今回はオリジナル作品と共に、最近の仕事に使われた作品も展示。そのほとんどが川上弘美氏、阿刀田高氏などの本の装画のために描かれたものでした。
玄光社『イラストレーション』誌(No.139) では、特集“明日を担う新人12人”の中で紹介され、たくさんの本の仕事をしながら描き上げた今回のオリジナル作品は「今までで一番手応えのあるものになった」と、今乗りに乗っている牧野さん。今後の更なる活躍を予感させる観応えのある一週間でした。

牧野千穂ホームページ http://homepage.mac.com/k_oga/chiho/



BACK