たなか鮎子展「知の灯り -先駆者たち」

2009年12月7日(月)- 12月12日(土)



絵本や児童書、書籍の装画、挿絵など近頃活躍ぶりが目覚ましいたなかさんの久しぶりの個展です。

「あたらしい知識や真理の探求には、 常に古い慣習や社会体制からの圧力がともないます。 それでも、探し求めずにはいられなかった、 勇気のある人びとと、その人たちがのこした偉業を、 尊敬の念をこめて描きたいと思います。」(たなか鮎子)

スピノザ、コペルニクス、ニュートン、ダ・ヴィンチ、ケプラー、樋口一葉・・・ 銅版画を中心に、哲学者や科学者、発明家など、歴史上の偉人たちが並びました。
激しく濃く苛酷に生きたそれぞれの一生に思いを馳せると彼らがいなかったら私たちの生活はどうなっていたんだろう?…と考えずにはいられません。




「ブレーズ・パスカル Blaise Pascal」(左)
1623-1662 数学者、哲学者/主著『パンセ』の「人間は考える葦である」という一文が有名で、 人間は自然の中では無力な生き物だが、考えることによって宇宙を超える、と唱えた。

「ルネ・デカルト Rene Decartes」(右)
1596 - 1650 数学者、哲学者/1637年『方法序説』を公刊。ここで提唱された「我思う、ゆえに我あり(コギト・エルゴ・スム)」という言葉は、キリスト教信仰から離れ、人間の「理性」から真理を探求しようとする、近代哲学の出発点となる考え方である。




「宮沢賢治」1896 - 1933 童話作家、詩人
岩手の富裕な家庭に生まれたが、貧しい農民の生活向上のために生涯を捧げた。日蓮宗の熱心な信者であったが、友人斉藤宋次郎との出会いにより、キリスト教にも精通する。「隣人愛」の思想と、ふるさと岩手の自然に対する愛情が、賢治の作品の根となっている。 病弱だった妹・トシに聞かせるために童話や詩を執筆しはじめ、 トシの没後も『注文の多い料理店』や『春と修羅』を出版した。 世間からはあまり注目されず、生前賢治が得た原稿料は5円だったといわれる。


「かいぶつトロルのまほうのおしろ」(表紙・アリス館 刊)


また、今回初めて文章・絵共に手がけた新作絵本の原画も展示。
リズミカルでちょっとスリリング、もともとファンタジー文学に造詣の深いたなかさんならではの冒険物語です。シックな色調の銅版画作品とは異なるアクリル絵具の豊かな色彩で描かれています。
15日の発売に先駆けて販売し好評でした。

かいぶつトロルのまほうのおしろ
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