岩谷希未展「満月があくびした」

2006年11月20日(月)〜11月25日(土)


前回の個展は 2004年4月。この2年のあいだに生活環境と作品に大きな変化があった岩谷さんの2回目の個展です。

「ここだけの話」

ちょっとしたことで、すれ違い。
“ここだけの話”をそこかしこでするものだから。


長いこと続けていた銅版画は工房に行く時間をなかなかつくれないため、しばらくお休み。展示したのはすべて木版画です。
以前はちょっと不思議なイキモノたちをモノクロームで表現していましたが、今回は部分的に色彩が使われるようになり、物語性が更に強くなった作品となりました。


「むかしのともだちをおもいだす」〜全7点より

よるになるとさみしくて泣いてばかり
あとからあとから
涙がとまらない

        
並んだのは全18点。そのうち7点は連作になっており、胸の奥深くが微かに疼くような自作の物語と共に観ていただきました。


「雨のあと、種をまく」

こっそりと種まき。
やわらかくなった土のうえ。


詩的で静けさに満ちた世界は岩谷さんの持ち味。技法や表現が変わったことで、そこに「軽やかさ」が加わりました。作家本人も「納得のできる展示ができた」とのこと。絵本や児童書などの分野での今後の活躍が楽しみな1週間でした。

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