岡田知子展「旅の空の下で」

2006年10月2日(月)〜10月7日(土)


これは私が2000年から2005年にかけて旅をした、ポルトガル、新彊ウィグル自治区(中国)、ヨルダン、シリア、レバノン、イエメンの6ヶ国での思い出をちょっぴりまとめてみたものです。
以上の国々がどこにあるか、すぐにわかる人は少ないと思いますが、そこが一体どんなところでどんな人たちがどんな暮らしをしているか、わかる人はもっともっと少ないと思います。私だってよくはわかりません。
でもほんのちょっと行ってみただけで、日本の報道や情報なんかで得るわずかなコトよりも、うんと沢山のコトを肌で知るコトができたと思います。
政治や宗教、人種や文化がまったく違っていても、そこに生きてる人達は「な〜んだ、みんな一緒じゃーん」というコト。
同時にそれはまた自分の偏ったものの見方や、世界への無知・無関心を思い知らされた旅でもありました。
でもそんなムズカシイことなんかどうでもいいんです。旅は見たまま、感じたままに楽しむのが何より一番。そんな旅の楽しさを皆様にちょっとでも感じていただけましたらさいわいです。(岡田知子/「ごあいさつ」より)

待つ バス・ドライバ−(シリア)


アンチレバノン山脈のふもとにある古代キリスト教の文化と言葉(古代アラム語)を残す村を訪ねた。その中心である教会から私たちが出てくるのを待つバス・ドライバー。無口ながら穏やかな人物だった。


遺跡の管理小屋にて(レバノン)

                         
'04年3月のレバノンは、つかの間の平和な時だったのだろうと思う。高原地帯にあるアンジャール遺跡の石造りの管理小屋ではストーブが焚かれていた。中東からの哀しい報道に、カフィーヤ(頭布)をゆるく巻いたおじさんの柔和な顔を思い出す。


(ポルトガル)


シャープの新聞広告や、多くの本の装画や挿絵などで大活躍中の岡田さん。今回の展覧会は旅の思い出を描き下ろし、大小併せて60点近くの作品が並びました。足を運んでくださった方たちには、会場の地球儀と照らし合せながら、しばし遠い異国の香りを楽しんでいただきました。

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