牧野信一(まきの‐しんいち)【1896〜1936】 小説家。神奈川の生まれ。早大英文科を卒業後、児童雑誌の記者となるが、同年、同人雑誌「十三人」を創刊。初期には父親を題材とした私小説を多く発表したが、中期には夢と現実の交錯する奔放な幻想文学へと転じた。その後、神経衰弱の徴候があらわれ、作風にもある種の陰鬱さが漂い始める。昭和11年3月24日、実家の納戸で縊死自殺。享年39歳。