福井紀子ケシゴムハンコ展

'04.07.19(月)〜 07.24(土)


以前はスポーツ雑誌の編集のお仕事をされていた福井さん
その作品のクオリティの高さ、充実したボリュームは、イラストレーターとしての道を歩き始めてまだほんの2年足らずとは思えないもの。さまざまな分野で活躍中です。


「ROAD #1」

画材は、ケシゴム。「版画」ではなくて「ハンコ」という言葉にこだわるのは、色によってケシゴムの版を作り分け、同じ箇所に一色または数色を押して、色みやコントラストを調整していることから。
一枚の絵に対して版を押す回数は、多いもので600〜1000回以上で、今回展示した中でもっとも多かったものでは、なんと2000回以上も押し続けた(!)のだそうです。

モチーフは人物、風景、料理、食材、ヨーロピアン・テイストあれば、和ものあり…とさまざま。今はその時々に興味のあるものを楽しみながら表現してゆきたいとおっしゃいます。
作品中の「キメが細かくフワリとした氷イチゴの山」や「濃いお抹茶の入った茶椀の味わい深い焼き色」などを見ると、インクの付着や版の重ね方の加減で、モチーフの質感の微妙なニュアンスをここまで表現できるものなのか…と感心するばかり。

「あらゆる質感の描き分けができるようになったから、仕事の際のどんな依頼にも対応できます!」
福井さんの頼もしい言葉からは、短期間に雑誌や装画、店鋪の壁画など数多くの魅力的な仕事を手掛けてきた彼女ならでは…という確固とした自信が感じられました。

便箋、封筒、手ぬぐいなど「福井紀子商店」のグッズは全国で好評発売中。この展覧会の様子は8月15日(日)テレビ東京、8:30amからの「美術はたのしっ!」でもご紹介されます。

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