揃いのスカートをフワリとなびかせ踊る輪から抜けて、ひとり部屋の外へと向かう少女。顔を寄せあい話し込む小人達。背伸びをして円筒のなかを覗きこむ人々…。
「非現実的なものの中から見えてくる真実もあるのでは」とおっしゃる足木さんが描いているのは「夢」の世界。
「彼女たちは何を見つめているのだろう?」「この出口の向こうにあるのはどんな風景?」。どこか謎めいた一つ一つの場面には、見る人の意識をそこに留まらせ、物語を読み取ろうとさせる不思議な魅力があります。
作品を前にした人が各々にイメージを膨らませてもらえるような表現にしたかった、とおっしゃる足木さん。描いた本人でさえ時間をおいて触れた作品から、制作時とはまったく違った物語がみえてくることがあるのだそうです。
イラストレーターとしてのキャリアをスタートして間もない足木さんですが、充実した一週間になったようです。届いたDMを見た本当に多くの方が足を運び、彼女の世界に興味を持ってくださいました。
独特なこっくりとした深みのある色彩は油絵具によるもの。美しく丁寧に描かれていました。