中山尚子展「満潮」

'04.05.31(月)〜 06.05(土)


二枚の平面を重ねることによって生まれる、中山さんの二重奏的アート作品。MAYAでは2000年、2002年に続いて三回目の展覧会となります。今回は12点の作品が並びました。


リキテックスで描いた原画に、ペン画をシルク印刷したアクリル板を重ねる。
そこに光をあてることによって、原画の上にペン画の影が落ちる…。
以前から視覚的なトリックが含まれた作品を制作されていた中山さん。98年にこの技法による作品が発表されて以来、さまざまなバリエーションで展覧会が定期的に行われてきました。

吸い込まれていきそうな不思議な奥行きや、光りの角度によって異なる微妙なニュアンスを見せる影。
中山さんは印刷されることが前提のイラストレーション作品を手掛けると同時に、展覧会のときには足を運んでいただき、実物を前にするからこそ感じることの出来る面白さを常に追求されていらっしゃいます。

初夏の涼やかな「薫風」をテーマに制作された2年前。
今回の個展「満潮」には反対に「ギャラリーの中に‘熱風’を吹かせたい」という想いが込められていたのだそうです。
女性の体や「手」などをモチーフにした作品は、月の満ち欠けが地球上の生きものの体を支配しているという話と共に「体温」や「血液の流れ」などを想起させる有機的な感覚に溢れていました。


MAYA2ではオリジナルの木製スタンドに入ったモノクロームの小品26点と、展覧会のたびに制作されてきたポスター7点を展示しました。

www.hisako-n.com

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