田村まこと展「Now and Then」

'04.05.17(月)〜 05.22(土)


以前、人物を描いた作品で『イラストレーション』誌のチョイス入選歴がある田村さんの初個展です。今回はヨーロッパの風景、街並みをモチーフに20点の作品が並びました。


「ミラクル -シエナにて-」

人物ばかりを描いていた田村さんがポートフォリオに入れていた数点の風景画。作者の繊細な眼差しを通して力強い筆致で描かれた作品は、静かで不思議な魅力をたたえていました。
昨年の秋に訪れたトスカーナでの心を揺さぶる美しい景色との出会いも、今回の展覧会をする大きな切っ掛けとなったようです。 紫、黄色、グリーン、ピンクなどヴィヴィッドな色彩で彩られた風景がリキテックスを使って大胆に描かれました。

サンジミニャーノ、シエナ、モンタルチーノ、そして一昨年に訪れたフランスのアルザス。
ほとんどの作品は田村さん自身が撮影したものを資料になっているのだそうです。
しかし写真として閉じ込められてしまった風景の再現に留まらず「実際にその場所に立ち、自分自身が感じたものをカタチにしたかった」ということから構図や色彩はだいぶ変えているとのこと。
永い時間の流れの中で変わらない姿で佇む建物や、せつなくなるほどに青く抜ける空、陽の光を浴びて輝くような緑の田園…そうして眺めてみると、一つ一つの作品が心象風景のようでもありました。

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