岩谷希未展「ぼんやりしたリズム」

'04.04.26(月)〜 05.01(土)


20数点の銅版画がならんだ岩谷さん にとって初めての個展。この週、お客さまには持参された茶葉と茶器で美味しく香り高い中国茶がふるまわれました。


「ぼんやりしたリズム」

歩いているような
浮かんでいるような
どこまでも 続いていく
リズム


もともとペン画での制作をしていた岩谷さんが銅版画を始めたのは今から約4年前のこと。
細かく「描き込む」ことに没頭するタイプだった彼女にとって、幾つかの行程を経て仕上がる版画の技法は、作品から熱感が程よく抑えられるので、向いていたようだとおっしゃいます。

両生類、爬虫類、哺乳類…。
ほとんどがモノクロームの表現で描かれた様々な生き物たちの姿は、一度見ると心に残る不思議な魅力があります。
湿り気のある空気や川や泥や生き物の匂い、手に触れたときの「フサフサ」や「ヌルリ」とした感触などが作品を前にしたときに、ふわりと感じられるようなのは、岩谷さんが常に「質感」の表現を意識して制作されているからでしょう。

とても静かで、詩的な岩谷さんの作品。
実際にそれぞれの作品には短い文章がそえられていました。
銅版画、ペン画に加えて、これからは木版画にも挑戦してみたいと意欲的な岩谷さんでした。

BACK