「Maria」というタイトルで「半ば恋にも似た気持ちで描いた」という、さまざまな女性のポートレイトを描いた前回の個展。物想う彼女たちの姿は作者自身にもどこか重なり、内省的で静かな雰囲気の作品は多くの人の心を捉えました。
それから2年が過ぎた今回、残念なことに展示しきれないものも数点あったくらい、沢山の新作を描き上げていらした田中さん。ギャラリーには一層パワーアップした感のある作品がズラリと並びました。
画面から発するのびのびとしたオーラは以前よりサイズが大きくなった、という理由だけではないでしょう。
構図やモチーフなどにもバリエーションがグッと拡がり、物語的な要素もまた強くなった作品からは、田中さんのこれからのビジョン、方向性がはっきりと伝わってきます。
絵本 『星うさぎと月のふね』(文:かんのゆうこ/講談社刊)の原画と、弟さんの竜太郎氏の文章とのコラボレーションで構成された今回。一点一点に描かれたストーリーを「読む」ように、多くの方にじっくりと堪能していただきました。
オリジナル作品の他にもダイアリーなど見応えたっぷりのWEBサイトも是非一緒にご覧ください。
http://www.sakanaweb.com