桐山日登美展

'03.10.20(月)〜 10.25(土)

毎日美しいサリーに身を包んでギャラリーにいらしていた桐山さん。サリーは一枚の布で約6mもあるのだそうです。
微かに漂うインセンスの香りや、低く静かに流れるシタールの音色の中にいる桐山さんはまるで作品から抜け出てきたよう。時々通りがかりのお客様から「日本語は大丈夫ですか?」などと聞かれることもあったようです。

「牛と女」

そもそもは、その国の寺院彫刻に興味を持っていたという桐山さんが、舞踊を習い始めて遂には本格的に踊りを学ぶために3ヶ月ほど留学までして…とインドという国に夢中になるまではそれほど時間が掛からなかったようです。以前から女性像を描いていた彼女ですが、この近年はずっとインドの女性をテーマに制作されていらっしゃいます。
技法もそれまでのアクリル画から 木版画になって約3年。今回は東京で2度目の個展となりました。

大学時代に木版画の基礎的なことは学ばれたそうですが、あまり細かいことに捕われずに「勢い」や「力強さ」を表現したいということから制作方法はかなり我流なのだそう。
下描きが決まってからは、ひたすら版木を彫り続け、その時間がまた楽しいと桐山さんはおっしゃいます。
そして刷ってから手彩色。色の生っぽさを抑えたいということから、ほとんどの部分は紙の裏面からアクリル絵具で彩色されています。和紙自体の暖かみのある色を通して、まるで岩絵の具のような柔らかな色彩が、素朴で芯の強いインドの女性達のイメージと重なります。強調したいパーツ(たとえばビンディのような)だけ表面から着彩したり、ドローイングを入れてみたりすることで、画面の中に強弱をつけている作品も多くありました。

前回の個展では舞踊や、その舞踊のテーマである神話の世界が描かれましたが、今回はより身近(?)に、今年の1月に実際に見つめてきたインドに生きる女性達の様々な姿が描かれました。

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