作田えつ子展「KIDS or AIR」

'03.06.02(月)〜 06.07(土)

約3年ぶりとなる作田えつ子さんの展覧会は、MAYAとMAYA2の二つのスペースを使っての見応えのある展示となりました。



Icicle (Julli)

6年前の6月の雨の日
左目の悪い痩せた頭の大きな猫と出会いました。
私の後をトコトコつけてくるので、
彼を家に連れて来ました。
お風呂に入れると
彼のグレーの毛色はモカベージュに変化し
塞がっていた片方の目は
溶けそうな色彩に変化してしまいました。
私は彼をタンゲクンと名付けました。
(片山健さんの絵本、タンゲクンより)
それから半年、
毎日数回の点眼で失明寸前の彼の目は奇跡的に回復し、
私は毎日幾度も彼の顔をのぞき込み、
それからとても不思議な造形の
持ち主なので、こういった作品が生まれはじめました。
彼は現在推定8才くらい、
私の心の空白を埋めてくれる毎日可愛い私の真珠。
(作田えつ子)

この2年半くらいの間に次々と描かれた、不思議な表情と存在感を持った生き物たち。
単に「カワイイ」という言葉だけでは済まされない、ちょっとスパイシーなニュアンスを持った彼らは、タンゲクンとレオクンという愛らしい2匹の猫との生活の中で、いつの間にか生まれたのだそうです。
これらの作品は本の装幀などにも使われていましたが、展示したのは描きためられていた、そのほとんどが初公開の約60点の作品。
ズラリと[ KIDS ] が並んだギャラリーは「壮観」の一言です。これまでの作田さんの作品の持つ繊細で陰影に富んだイメージから一変した、自由奔放に描かれた作品はギャラリーにいらした多くの人々を驚かせました。

作品の他に、Tシャツやトートバッグ、ピンバッジや缶バッジも展示販売。中でも今回の展覧会に併せて制作した缶バッジは期間中に完売し、大好評でした。




maya2の展示より

MAYA2では [ AIR ] というタイトルのもとに、静かな空気感に満ちた風景画18点を展示。
シンプルな構図とシックで美しい色彩が、心に沁みる叙情的な世界を形成していました。



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