金子恵展「あした の朝」

'03.05.19(月)〜 05.24(土)



約一年半ぶり、MAYAでは3回目となる金子さんの個展です。17点の新作が並んだギャラリーは初夏の訪れを感じさせる、気持ちのよい空間となりました。



「夏やすみ」より


「こんどは、こども(とそのまわりにいる人たち)を描きたい、とおもっています。」と個展前におっしゃっていた金子さん。その言葉のとおり、幼児から学生服に身を包む少年少女たちまで、これからさまざまな未来が待ち受ける“子供たち”を主人公とした作品が並びました。
シンプルな構成なのに、描かれた人物の感情や物語が見えてくるというのは、以前から好きだったという「人間観察」の賜物でしょう。子供であれ「おじさん」であっても、作品を前にした人がシンパシーを感じるような独特な実在感が彼らにはあります。

作品はすべてボールペンでラインを引き、彩色にはアクリルガッシュ色鉛筆を使用して描かれています。
いつものように画面の中で効果的に残された余白からは、絵の中に流れる静かな空気が伝わってきました。

これまで老若男女さまざまな人を描くのを得意としてきた金子さんですが、最近は風景を描くことへの意欲も強くなっているよう。上の作品は「夏やすみ」というテーマの連作の中の一枚です。肌に感じる強い日射し、木陰の涼しさ、蝉の声、そして何より子供時代の夏休みの高揚感がフラッシュバックするかのようでした。

多くの書籍の装画やカレンダーなどを手掛けて、今乗りに乗っている金子さん。次ぎなる目標は「絵本制作!」とのことでした。

「夏やすみ」のシリーズはこちらからもご覧になれます。
http://www.dnparchives.com/closeup/closeup_11/index.html



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