やなぎさわよしゆき展「夢いっぱい」

'03.05.05(月)〜 05.10(土)



1996年、2001年に続いて3回目になるやなぎさわさんの個展です。前回評判の良かったキャラクターのシリーズを描いた新作が17点並びました。




定規、コンパス、テンプレートなどを使って描いた円と四角、直線と曲線の組み合わせで記号的に構成されたキャラクター。そして軽やかで濁りのないカラフルな色彩が印象的な やなぎさわさんの作品です。

男の子と女の子、そして動物たちの登場する小さな世界は、以前よりも少し物語的な要素が加わりました。
絵の中の子供達はクマやウサギ、ロボットやヌイグルミたちと楽しく遊び、バイクに乗って草原を駆け抜けたりもします。そこにはまさに「夢いっぱい」というタイトルのとおり、空想の世界に遊ぶ子供達の姿が描かれていました。

使用画材はアクリルガッシュ。筆跡を一切かんじさせず、フリーハンドで着彩(マスキング無し!)している作品は、前回と同様に一見してシルクスクリーンやCGと見間違う方も少なくない程、丁寧に仕上げられています。うっすらと輪郭線として残った下描きの鉛筆のラインがアナログ感をほのかに醸し出し、不思議な魅力となっていました。

これからは「風景画も描いてみたい」と云う やなぎさわさん。 また、この技法にこだわりながらも新たな表現にも挑戦したいともおっしゃいます。
これまでは背景を一色で塗りつぶした作品が殆どでしたが、今回の展示では余白を残したものが多くなりました。そうしたことによって画面には奥行きが生まれ、それは以前よりも拡がりつつある やなぎさわさんの描く世界を象徴しているようでした。



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