平林志帆展「SLOW LIFE」

'03.04.21(月)〜 04.25(土)



この春まで店鋪のデザイン/設計/施工に携わるお仕事をされていた平林さん。今回の個展はフリーのイラストレーターとしての活動の第一歩でもありました。



DECADE / 1930S
MAKER / MASUDAYA
SIZE / 70×240×160
MECHANISM / WIND UP


時間に追われる忙しい日々を過ごしていると、多くの人があらゆる場面で効率の良さを求めるようになり、気が付くと味気のない画一的なものに囲まれてしまいがちな現代の生活。
そんな中1989年に北イタリアで生まれた、良い素材を自宅でじっくりと調理し、家庭に伝わる味を家族や友人と共に楽しむことによって豊かな人間関係を育もうという「スローフード」という運動が日本に浸透し、頻繁に謳われるようになって数年になります。
平林さんの展覧会タイトル「SLOW LIFE」にも同じように、大切なものを見落とさないようにゆっくりと穏やかな時間を過ごしたい、という作者の思いが込められているようです。

「古いもの、長い時間を経て現在まで残されたものにとても興味がある」という彼女が、個展のテーマに選んだのはブリキの玩具
作品に描かれたノスタルジックな玩具たちは、実際に子供時代にそれを手にして遊んでいた世代か否かに関わらず、古き良き時代へ私たちの意識を導いて心の片隅に眠る幼な心を呼び起こします。そして同時に、一点一点がいくつもの行程と熟練した技術者の手によって作られているからこそ、時間がたっても色褪せない魅力をたたえていることに気付かされます。

鉄腕アトムや怪獣ブースカ、カラフルなレーシングカーや飛行機、猿の車掌さんが乗る機関車......描かれた玩具の多くはヴィンテージもので、今ではすっかり高価になってしまったものばかり。図書館などでみつけた様々な写真資料を元に描かれました。すべてPainterPhotoshopを使用して制作されています。



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