葉月雄人展 「節月花」

'03.03.24(月)〜 03.29(土)



さまざまなサイズの19点の作品が並んだ、葉月さんの約4年振りの展覧会です。外はうららかな春の陽が差す中、パステルトーンの作品が気持ちのよい一週間でした。


「朧月夜」
空を見上げると霞のなかにぼんやり見える月、
あたたかい春の夜。
懐かしい唱歌の記憶を辿って…

君影草(きみかげそう)、彼岸花(ひがんばな)、春麗(はるうらら)、片蔭(かたかげ)、黄落(こうらく)、霜夜(しもよ)…これらは、今回並んだ作品につけられたタイトルです。季節や場景、草花を現わす言葉の数々からはイメージが豊かに拡がってゆき、本来日本人が持っていた感性の奥深さに静かな感動を覚えます。
やさしく穏やかな雰囲気の中に季節の花々と共に佇む女性像。これまでも多くの女性を描いていらした葉月さんですが、今回の彼女達は、よりスタイリッシュに、そして詩的な姿で描かれています。日本的なものと現代的で洗練された表現が同居し、美しい調和を見せていました。

葉月さんの作品はすべてシルクスクリーン
カッティングシートやコンピューターで版下を作り、スクリーン版に焼き付けて刷ってゆく.....という版画の技法にこだわって制作しているのは、いくつかの行程を経ることによって仕上がりに計算外の偶然のニュアンスが生まれることが面白いから。
また独特な絵の具の発色は、自分の描きたい世界を表現するのに一番しっくりくる、と感じているのだそうです。

葉月雄人 ホームページ http://www.asahi-net.or.jp/~hy8y-tmhr/

BACK