まなかふみこ展

「おだやかな時間」

'02.11.18(月)〜 11.23(土)



以前はグリーティングカードの制作会社で企画とイラストレーションを手がけていたまなかさん。 最近は幼児向けの雑誌や絵本などのお仕事をする機会が多いようです。昨年5月に続いて2回目の個展です。



『真冬の散歩道』

ブタやクマ、イヌにネズミなど、これまでの まなかさんの作品には、いつも擬人化した可愛らしい動物たちの姿が描かれていました。
今回はそうした作品に加えて、『人物』をメインに描くことにも挑戦。
画面に人物を登場させることによって、表現の幅がとても拡がったように感じる、とまなかさんはおっしゃいます。

公園や街角、家で独り過ごす午後のひととき…など平和なシチュエーションの中で、おだやかな表情をうかべた子供や老人などが丁寧に描かれました。



前回の個展のあとに知育絵本を手がけ、絵本制作の面白さにはまったご様子のまなかさん。展示した作品も一点一点に物語を感じさせるものばかりです。
街や公園を描いた大きな作品には、よく観ると小品に描かれていた人物が一同に登場しており、それはまさに今回の[まなかワールド]の凝縮といった感。作品を前にした人達には“キャラクター探し”を楽しんでいただけました。
可愛らしいけれども決して甘過ぎない上品なテイスト。それが子供だけでなく大人からもまなかさんの作品が愛される理由の一つでしょう。

使用した画材は、ウィンザー&ニュートンの透明水彩。絵具の美しいニジミが表現しやすいというアルシュ紙に描かれています。
並行して制作を続けている銅版画も、今回は単色で刷ったものを後に手彩色するという方法で展開され、水彩画とは違う落ち着いた色調が魅力的でした。



BACK