牛尾友有子展

「空想美学II」

'02.09.30(月)〜 10.05(土)



'98年6月、昨年3月に続いて3回目の個展。雑誌『マリ・クレール』の挿絵のお仕事などを経て少しずつ変化してきた牛尾さんの新作が並びました。





『つぶやき』

古い写真や印刷物などからひろがるイメージの世界に遊びながら制作をつづけている牛尾さん。
アメリカに住む妹さんを訪ねる旅ではいつも、蚤の市や個人の家で行われる古物市などをつぶさに覗き、作品の素材やテーマとなるものを見つけてくるのだそうです。

でもそうした写真を元にしたコラージュという技法が前面に出ていたのは最初の個展のときのこと。
前回からはドローイングが中心となり、写真や印刷物は画材の一つとしてより自由に、そして効果的に使われるようになってきました。



牛尾さんの作品の特徴のひとつは、まるで「モヘアの毛糸」のようににじんだ輪郭線。 これは以前思うように仕上がらなかったドローイングを弄っていたときに偶然生まれた線なのだそうで、以来彼女の作品に欠かせない要素になっています。

前回に続いて『空想美学』というタイトルのもとに描かれた、物憂げな帽子や、花や植物を纏った靴…など生命を吹き込まれた静物たち。
仕事ではカラーの作品も制作しますが、今回展示した殆どはモノクロームのもの。にじみのあるラインと、印刷物を張り付けたところだけに微妙に挿された色味がなんともシックでした。



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