谷新展

'02.09.02(月)〜 09.07(土)



谷さんは、福岡在住のイラストレーター。これまでに宮崎シーガイヤの広告や新聞挿絵、PR誌の表紙、本の装画などのお仕事をしていらっしゃいました。東京での個展は今回が初めてです。






静物、風景などをモチーフに、勢いのある力強い筆致で描かれた谷さんのイラストレーション。
ビビッドな色彩と効果的に活かされた余白のスッキリとした構図が美しく、イキイキとした線からは一筆一筆を大切に描いていらっしゃることが伝わってきます。

今回展示した作品のほとんどがコピー作品。
谷さんの作品は、アクリル透明水彩を使用して描いたものを最後にカラーコピー機にかけることで完成するのです。

コピー機にかけるのは、絵の具を重ねてできる表面の盛り上がりなどのマチエールをあえて消して、画面をフラットに見せたいから。



またそれと同時に、絵の具と筆で描いた絵が持つ「熱感」のようなものをそこに封じ込めるような意識もあるのだそう。たしかに展示した作品には、グラフィック的な軽ろやかさが生まれていました。
仕事の場合でも、作品として見たものと印刷物になったものの間に温度差がないという理由から、やはりコピー作品を入稿しているのだそうです。

厳しい残暑の続いた一週間でしたが、ギャラリーの中には清涼感あふれた作品が並びました。



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