ブラッシュアップ講座(時代小説クラス)受講者展

2009年4月20日(月)- 4月25日(土)@MAYA2

2月24日の講座の模様


昨年11月より、「時代小説の装画」という限られた分野を専門的なレクチャーや課題を通して学んできた15人。

講座の中で出された4つの課題から2点をそれぞれがチョイスし展示いたしました。講師のアドバイスをもとに新たに描き直されたものも多数あります。

■参加作家
石崎静香 いまい鞠 大澤ゆかり 金澤信 蒲田育
篠原知子 鈴木ゆかり チユキクレア 津田勝久
ちばえん(てんてん堂) 西村知子 平岡瞳
妃呂麿 諸戸佑美 渡辺ななえ



 


■講師

片桐淳一氏(玄光社『イラストレーションファイル』編集長)
「イラストレーション」誌に掲載されてきた「装幀とイラストレーション」をプロジェクタで投写。近年印象的だった装幀の数々を振り返りつつ、登場したブックデザイナーの方々によるさまざまな角度からの装幀論を抜粋。また、特集「時代小説の挿し絵」(No.150)で紹介されたイラストレーターそれぞれのお仕事の取り組みかたなどのお話。

高橋千裕氏(新潮社装幀室室長)
1回目は、日本画の画集や時代物の描き手たちが実際に使用している資料本などを多数お持ち頂き全員で閲覧。線の美しさを追求してゆくこと、「品」のある作品について、そしていかに見せ所を作るか・・・といったお話を。
そうした流れで、以下2作品をモノクロで線を意識して描くという課題が出題されました。
「鬼子母火」(「幻色江戸ごよみ」宮部みゆき著)
「たそがれ清兵衛」(藤沢周平著)

2回目は、一人一人に時間をかけて課題作とポートフォリオを講評していただき、時代考証しつつも“いま”の感覚を取り入れること、見せるということはメッセージの発信であり明確さが必要であるといったアドバイスをいただきました。
課題作品の中から ちばえんさん の作品が選ばれ、今回のDMになりました。

福田美知子氏(講談社文芸図書第二出版部「KENZAN!」編集長)
1回目は、江戸の様子を描く上で必須!という資料をあらゆる方面から多数ご紹介いただきました。時代物のドラマやイラストレーションで見かけた間違いから、必ず抑えるべき注意点のお話など。
課題は「時雨の岡」(乙川優三郎著)、「要らぬ首」
ゲラを読んで、雑誌「KENZAN!」の判型サイズでモノクロで描く。
2回目は、課題を集めて編集者の視点から一点ずつ講評。それぞれの小説が持つ空気感を表現できているか否か、人物の髪の結い方や着物の着方、小物や背景など細部の微妙な誤差などをご指摘いただきました。





まだまだ発展の途上にいる15人ですが、先に進む程に表現の手強さを感じると同時に、資料を掘り起こすように少しずつ解釈を深め、個々の世界を拡げてゆく愉しみを覚えた受講生が多かったようです。


 

第一回ブラッシュアップ講座/次回詳細は夏頃に発表いたします。

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